日本語に限らず英語でも、初めてメールを送る相手には書き出しで自然な自己紹介を入れるのが常識です。
日本語の場合はあまり意味を持たない枕詞のような句を入れることでビジネスメールらしさを演出しますが、英語の場合は対照的に、最も重要な情報だけ盛り込んでできるだけシンプルにまとめます。無駄な言葉が多数入っていると、読み手がメールに対する関心を失います。
もちろん、季節の挨拶は不要ですし、初めてメールを送る相手に「平素よりお世話になっております。」や「突然のメールにて失礼いたします。」の直訳を入れてはいけません。
過去の記事でも説明したとおり、「突然のメールにて失礼いたします。」の直訳 “Forgive me for contacting you out of the blue”は使用しない方が得策です。
自己紹介に入れる情報は、以下の順番で記述しましょう。
1. フルネーム
2. 役職
3. 所属部署
4. 所属組織(企業名、団体名など)
日本語とは完全に逆の順番なので、注意が必要です。英語で自己紹介する場合は、所属先の組織ではなく、個人の名前を最初に名乗ります。また、「お客様サービス担当」や「渉外担当」など、担当名だけを提示するのはできるだけ避け、匿名にする特段の理由がない限り本人の名前をはっきりと記すのが英語のビジネスシーンでのマナーです。英語のメールで氏名を告げずに「XXX担当」とだけ名乗ると、”a lack of professionalism”と捉えられる可能性があります。
また、本題に入る前に読み手の集中力が妨げられないよう、メールの書き出しはできるだけシンプルにまとめましょう。特段の事情がなければ、定番の“I hope you are well.”で十分です。
過去の記事でも説明したとおり、“Nice to e-meet you”など表現を凝り過ぎると怪しいメールになってしまう可能性があります。
例
Dear Mr/Ms [surname],
I hope you are well.
My name is Taro Yamada. I am a senior contract manager for the APAC Sales Department, AAA Corporation. We are currently developing a new strategic initiative for BBB, and Ms Brown, our long-term partner, has suggested that we contact you for advice…