英語でビジネスメールを書く際、日本語ほど書き出しに悩む必要はありません。
基本的に、「初めてのメール」、「フォローアップ(催促)のメール」、「返信」の3つのシナリオで、自分が使いやすいパターンを覚えておけば大丈夫です。
英語のメールにもエチケットはありますが、日本語で書くメールよりずっとシンプルです。丁寧さを盛り込もうと凝り過ぎると、日本語っぽい奇妙な英文になってしまいます。
1. 初めてのメール
基本的には、無駄な言葉を入れず、以下のように書き出せば十分です。
Dear XXX,
My name is YYY. I am a Senior Account Manager at ZZZ. We are impressed by your AAA which we saw in BBB and would like to explore the possibility of…
冒頭にどうしても何か一言入れたい場合は、“I hope you are well” で十分です。筆者は翻訳の仕事を通して世界中のクライアントと日常的にメールをやり取りしており、非ネイティブスピーカーほど不自然に凝った挨拶文を冒頭に入れる傾向があると感じています。
たまに、“Hello AAA. My name is BBB. Nice to e-meet you!”という書き出しを目にしますが、この表現は業界によっては胡散臭く見えるので、万能な書き出しではありません。
なお、誰かに初めてメールを送る場合、別の投稿でも触れたとおり「突然のメールにて失礼(いた)します」の直訳は入れない方が賢明です。
英語の“out of the blue” という言葉に日本語と同等のニュアンスはなく、むしろ「怪しい」のイメージが付きまとっています。もしくは、送信者が何らかの深刻な状況に置かれれていると思われる場合もあります。しかも、近年はオンライン詐欺の被害件数が世界中で急増しており、筆者の暮らすオーストラリアでも、政府や銀行から“Never respond to email or text messages you receive out of the blue”といった注意喚起のメッセージが消費者に日常的に送られており、“out of the blue”にはかなりネガティブなイメージが定着しつつあります。
2. フォローアップ(催促)のメール
以前送ったメールに続けて何らかのメッセージを送る場合は、以下のような文が便利です。
Dear XXX,
I hope this message finds you well. I am following up on the email I sent you on [date] about/regarding…
現在までに複数回連絡している場合は、“I hope you are well. I am following up on my previous emails regarding…”とすればOKです。
なお、文を“Regarding…”で始める構成は避けましょう。日本語メールの英訳で非常によく目にするパターンですが、不自然です。
3. 返信
受信したメールに対する返信の書き出しには、以下のパターンを覚えておけば十分です。
Thank you for your email/reply.
Thank you for getting back to me.
Thank you [first name] for your… // Thank you, [first name], for your…
Thank you for your inquiry.
Thank you for the (detailed) information.
返信の書き出しも、あまり大袈裟にせずシンプルに収めることで自然な英語のビジネスメールに仕上げられます。
英語のビジネスメールは、とにかくシンプルで分かりやすく書くことがポイントです。文章をシンプルにする方が、非ネイティブとして英文を書く日本人にとっても便利です。筆者が実際に見てきた限りでは、非ネイティブほど、“Thank you SO MUCH for your PROMPT/KIND reply. IT WAS OF GREAT HELP”, “Thank you VERY MUCH for getting back to me SO PROMPTLY”と、気持ちを伝える不要な言葉を盛り込んで読みにくい文を書いています。
英語ネイティブ同士のやりとりであれば微妙なニュアンスを効果的に伝えられるかもしれませんが、非ネイティブの日本人として英語メールを書く際はシンプルに徹しましょう。