腕の良い翻訳家を遠ざける悪癖

腕の良い翻訳家を遠ざける悪癖

翻訳業界には、大きく分けて4種類の翻訳者がいます。

  • 自信があり、腕も良い翻訳者
  • 自信はないが、実はそこそこ腕が良い翻訳者
  • 自信はあるが、実は腕が良くない翻訳者
  • 自信がなく、腕も良くない翻訳者

言うまでもなく、翻訳会社やソースクライアントが最も確保したいのは「自信があり、腕も良い翻訳者」でしょう。

多少譲歩して、「自信はないが、実はそこそこ腕が良い翻訳者」でも良いかもしれませんが、自信がない人と仕事をすると誤解や勘違いが生じ、面倒な展開になることがあります。

なお、日本人は「自信 (confidence)」と「傲慢 (arrogance)」をはき違えている人が多いのですが、この二つの言葉の意味は異なります。

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かかわると面倒な展開になる翻訳案件

かかわると面倒な展開になる翻訳案件

翻訳の案件は千差万別です。

業界や文章スタイルなど、非常に多岐にわたるので、翻訳の案件を打診された際は、引き受ける前に自分が得意な分野やスタイルであるかを慎重に吟味する必要があります。

Dr. 会社員は自分の得意な分野以外の案件はほとんど受注しません。

さらに、自分の得意な分野の中でも可能な限り避けているタイプがあります。

基本的に、以下の二種類はほとんど絶対に引き受けません

  • 著者の「思い」が込められた文章
  • 校正前、出版前の論文
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翻訳者は「No」が言えて一人前

翻訳者は「No」が言えて一人前

翻訳の仕事を楽しく続けていくには、必要な時に「No」を言うことが非常に大切です。

フリーランス翻訳者の場合、自分の専門外の案件を依頼されることがよくあります。

また、受注産業なので、仕事が発生するタイミングも選べません。

上記の様な性質があるため、翻訳業を始めて最初の1~2年くらいは、仕事を選ぶ余裕がないかもしれません。

しかし、「何でも屋」の翻訳者を何年も続けていると、どの分野も中途半端な訳しかできず、クライアントとの信頼関係も構築できなくなります。

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和訳の相場は今後下がり続ける

和訳の相場は今後下がり続ける

最近のマクロ経済と日本人翻訳者の動向を見ていると、和訳の相場は今後ますます下がりそうな気がします。

もちろん、翻訳者コミュニティ全体が徹底抗戦すれば維持もしくは引き上げることは可能でしょう。

ただ、Dr. 会社員が見ている限り、働き損な単価で喜んで仕事を引き受けている日本人が和訳(特に英語から日本語)に非常に多いので、先進国を中心とした翻訳業界全体の水準と比較して和訳の単価は今後も下がっていきそうな気配です。

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翻訳家デビューは、40代が無難かも

翻訳家デビューは、40代が無難かも

翻訳は若い人に向いていない仕事です。

何故なら、翻訳では語学力以上に表現力と教養が大事だからです。

検定や入試で測定できる「語学力」は、暗記がメインなので若い人の方が高いスコアを取りやすいかもしれません。

しかし、検定や試験で測れる語学力と、メッセージを理解するコミュニケーション力と読みやすい訳文を書く表現力は別次元です。

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翻訳からの収入アップには、副業を利用

翻訳からの収入アップには、副業を利用

翻訳からの収入を上げるには、大きく分けて以下に挙げる二つのアプローチがあります。

  • 作業の速度を上げる
  • 単価を上げる

案件を自分の得意な分野に限定して受注すれば、作業速度はある程度上げられます。

ただ、陸上や競泳と異なり、翻訳は早ければ良いという訳ではありません

質を確保しなければならないので、作業の加速のみによる収入増を狙うのはリスクが高めです。

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「Urgent」な案件が舞い込んできたら

「Urgent」な案件が舞い込んできたら

フリーランスで翻訳業に携わっていると、取引先から「urgent(緊急)」な依頼を受けることがあります。

多分、フリーランス翻訳業に携わったことがない人が想像するより、ずっと頻繁に打診されます。

仕事が舞い込んでくるのは嬉しい限りではありますが、何しろ「urgent」なので、気力を奪われる案件であることも事実です。

緊急の案件は闇雲に引き受けない方が、心の平穏や仕事のペースを保ちやすくなります。

闇雲に引き受けない一方で、即決も必要です。

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「簡単な翻訳の仕事」はやりがい搾取かも

「簡単な翻訳の仕事」はやりがい搾取かも

翻訳の仕事がしたいなら、「簡単」をキーワードにしない方が良いでしょう。

何故なら、
翻訳は簡単な仕事では
ないからです。

「簡単な航空機操縦の仕事」や「簡単な法廷弁護の仕事」がないのと同じです。

翻訳の仕事は未経験だが語学の成績は良かった、くらいの状態で翻訳の仕事をしようとすると、高確率で「やりがい搾取」のターゲットになります。

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翻訳の実力があるなら、正社員にこだわるな

翻訳の実力があるなら、正社員にこだわるな

翻訳という特殊能力を備えているなら、何もどこかの組織に全力で奉仕しなくても良いのではないでしょうか。

正社員の翻訳者というポジションを探している人は大勢います。

しかし、翻訳者は会計士や医師と同様に、どこかの組織に属さなくてもスキルがあれば自力で稼げる職業です。

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翻訳の仕事がない、何故か?

翻訳の仕事がない、何故か?

翻訳者としての資質を備えているにもかかわらず、翻訳の仕事が見つからない場合は、仕事の探し方を見直してみる必要があるかもしれません。

過去の投稿でも触れましたが、翻訳の仕事を探す際に一般的な就活アプローチは通用しません

翻訳業はサラリーマンではなく自由業なので、仕事を探す際のマインドセットをサラリーマンと同じにしてはいけません。

もう少し具体的に言うと、翻訳者向けの求人サイトで良い翻訳の仕事が見つかる可能性は低い、ということになります。

実際、Dr. 会社員はこれまでの翻訳歴15年を通して、翻訳者の求人に特化したサイトで良い取引先に出会ったのは一度だけです。

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