DeepLは翻訳者の敵ではない

DeepLは翻訳者の敵ではない

近年、「DeepLやGoogle Translate(et al.)vs. 翻訳者」という対立構造をよく目にします。

(ニューラル)機械翻訳に仕事を取られるという恐怖がこういう対立構造を導くのかもしれません。

そのためか、納品された訳文がDeepLやGoogle Translateの生成する訳文と同じ、もしくは酷似している場合、本当に偶然の一致であったとしても、その訳文を手掛けた翻訳者は激しい批判を浴びることになるようです。

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翻訳者目線で考える、格安翻訳サービス

翻訳者目線で考える、格安翻訳サービス

市場経済では、需要が高く供給が少ない財・サービスに高い価格が付くことになっています。

この理論に基づくと、格安(激安)の財やサービスは、需要が低いか供給が過剰ということになります。

翻訳業界にも、上記の仕組みが当てはまるのかもしれません。

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翻訳の仕事は、一部なくなる

翻訳の仕事は、一部なくなる

AIを活用する機械翻訳は日々発展しており、翻訳や通訳の仕事がなくなるのでは、という不安の声が、翻訳者や通訳者になることを考えている人達の間で上がっています。

Deep Lなど高性能なツールですら無料で使えてしまうので、個人で使用する文書やウェブサイトの翻訳には有料の翻訳サービスは不要、という見方もあります。

ただ、翻訳の仕事が全てなくなるというのは極論です。


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機械翻訳には、複雑な問題が内在している

機械翻訳には、複雑な問題が内在している

機械(人工知能)を活用したニューラルネットワークによる翻訳は、近年目覚ましい発展を遂げています。

ドイツ発の「Deep L」やフランス発の「SYSTRAN」を始め、非常に難易度の高い英語⇔日本語の翻訳もかなり自然にできるようになりました。

そのため、翻訳業界では機械翻訳を使って翻訳のコストを抑える動きが広がっています。

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「翻訳の仕事がなくなる」は極論すぎ

「翻訳の仕事がなくなる」は一般化し過ぎ

翻訳の仕事がなくなる」という声が各方面から上がっていますが、これは極論です。

人目を引くには効果的なフレーズですけどね(笑)。

この見方は一部当たっているとは思いますが、過去の投稿で説明した様に、翻訳業そのものが消えることは当分ないでしょう

「消える」「消えない」の二分法よりも、注目すべきは翻訳業界における二極化です。

翻訳者は今後、生き残り組と、機械に次ぐ二次的な存在の搾取組に分かれることになると思います。

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FBが多言語間機械翻訳を導入、世界初

FBが多言語間機械翻訳を導入、世界初

Facebookが世界初の多言語間機械翻訳(multilingual machine translation、MMT)を導入するそうです。

同社がリサーチを公開しているサイト「Facebook AI」で「M2M-100」として10月19日付で紹介されています。

因みに、過去の投稿でも説明した様に、機械翻訳と翻訳支援ソフトは別物です

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TED、機械翻訳大手SYSTRANと提携へ

TED、機械翻訳大手SYSTRANと提携へ

世界中で講演会を主宰している非営利団体TEDは、ボランティアの字幕翻訳者を広く募っていることもあり、翻訳業界では割とよく知られています。

このTEDがこのほど、機械翻訳の老舗&最大手でフランスのパリを拠点とするSYSTRANと機械翻訳の開発で提携することになったそうです。

余り知られていませんが、SYSTRANはGoogle翻訳にも技術を提供したことのある、機械翻訳のパイオニアです

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Trados(トラドス)は機械翻訳ではない

Trados(トラドス)は機械翻訳ではありません

トラドスは機械翻訳ではありません。

CAT(computer-assisted translation、直訳:コンピューターに支援された翻訳)ツールです。

CATは日本語では一般的に「翻訳支援」とされています。

SDL社のTrados Studio(日本では「トラドス」と呼ばれることが多いですね)は2020年現在、翻訳市場で一番大きなシェアを占めている翻訳支援ソフトです。

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