これからフリーランスの翻訳者になる人は、何社に登録すべきかが気になる所でしょう。
ベストな登録先の数は各自の状況に応じて異なるので、平均値や他人のやり方が必ずしも自分に当てはまるわけではないと思いますが、参考までにDr. 会社員の現状をシェアします。
Dr. 会社員は現在、本業のフリーランス翻訳者です。
翻訳作業そのものに限らず、翻訳業に関する何らかの作業を年中無休でしています(請求書や売上の確認、勉強、税申告用の書類の整理等)。
Dr. 会社員が現在までに登録した会社は、世界中で12~13社くらいでしょうか(記憶している限り)。
その中の5~6社と継続的に取引しています。
さらにその中で定期的に仕事を頂いているのは3~4社です。
この3~4社は、全て違う国の会社です。
目次
登録先と取引先は同義ではない
当たり前のことですが、翻訳会社に登録することは、仕事をもらうことより簡単です。
実情はよく分かりませんが、常日頃から翻訳者を大量に急募している会社もあるくらいです。
Dr. 会社員は、余りに大勢の翻訳者を抱えていそうな翻訳会社には応募しません。
なぜなら、その会社には既にものすごい数の翻訳者がいるので、自分は大海の一滴と化すことが容易に想像できるからです。
それに、人材のターンオーバーが激しそうな会社には、何となく関わりたくない気持ちが働くからです。
Dr. 会社員の経験上、大手には自分から応募するよりも、声をかけてもらってから距離を詰める方が仕事をもらいやすくなります。
そんなによくある話ではありませんが、全くないわけではありません。
フリーランスは世間のレールから外れて我が道を進んでいるわけですから、何が起きても不思議ではありません。
Dr. 会社員はLinkedInにプロフィールを載せています。
プロフィールを見た翻訳会社のリクルーターに声をかけてもらい、そこから取引が始まった経験があります。
翻訳会社に登録し、契約書を取り交わしたら取引が始まるわけですが、登録先全てと長期的に取引が続くわけではありません。
理由は様々です。
会社側の理由だったり、自分の都合だったり。
会社側の理由は、社内の人にしか分かりません。
一方、Dr. 会社員が自分の都合で取引を控え、フェードアウトした場合の理由のほとんどは、以下に集約されます。
- 単価が低すぎる(仕事を楽しめない)
- 事前に伝えている営業時間を無視して電話がかかりまくる(ストレス要因)
- 困ったチェッカーがいる(非生産的すぎる)
登録先から仕事が入ってくる様子がなければ、入ってくるまで登録先候補に声をかけていく、ということになります。
本投稿ではDr. 会社員の例しか挙げていませんが、現在稼働中のフリーランス翻訳者の中には、登録先も取引先も一社のみ、という人がいるかもしれません。
一方、登録先は50社以上、という人もいるかもしれません。
職歴が長ければそういう人もいるでしょう。
とはいえ、個人情報を取り交わすことになるので、相手は慎重に見極めましょう。
日本以外の会社にも目を向ける
Dr. 会社員は世界各地の翻訳会社と取引しています。
違う国の会社と取引するメリットは、時差でしょうか。
同じタイムゾーンの会社だけと取引していると、問い合わせが入ってくる時間帯が重なるので、断らなければならない案件が多くなるかもしれません。
Dr. 会社員の現在の取引先は、地球をぐるっと回る感じでばらけているので、同じ時間帯に問い合わせが殺到することはありません。
同じ会社の違うプロジェクトマネージャーから一気に問い合わせが来ることは、稀にですが、あります。
問い合わせの時間を分散させることで、小さな案件を効率よく片付けられます。
また、世界各地の会社と取引することで、翻訳業界全体を俯瞰できる、というか、日本の翻訳業界がなかなかユニークであることも分かります。
普段日本語でしかコミュニケーションを取る機会がない人には、英語でリアルなビジネスができる良い機会となるかもしれません。
他にも、海外からの売上は税法上どう処理するかも必然的に勉強することになるので、知識が増えます。
海外の会社と取引すると色々と面白いことはあるものの、大事なアドバイスがあります。
それは、
ということです。
残念な事実ですが、翻訳料を踏み倒す会社があるからです。
日本でさえも、そういう会社は存在します。
ただ、日本の会社に踏み倒された場合は、内容証明郵便や少額訴訟など対処法があるので、海外の会社に踏み倒された場合よりも回収できる可能性がやや高くなります。
まとめ
今回の投稿では、フリーランス翻訳は一体何社に登録すべきか、ということについてDr. 会社員の実例を挙げて考えてみました。
フリーランスの事情は千差万別。
万人に当てはまる数字はありませんが、Dr. 会社員の例が参考になれば幸いです。