日本語を解さないクライアント

日本語を解さないクライアント

英語から日本語への翻訳では、日本語を全く解さないプロジェクトマネージャーやソースクライアントが関わるプロジェクトを引き受けることが頻繁にあります。

仕事を任せてくれるのはありがたい限りなのですが、面倒な展開になることが多々あります。

やはり、翻訳のプロジェクトには翻訳者以外にも対象の二言語をある程度使えるバイリンガルの担当者がいた方が、時間を無駄にせずに済む気がします。

Continue reading “日本語を解さないクライアント”

「クライアントは常に正しい」は誤謬

「クライアントは常に正しい」は誤謬

翻訳者とは一般的に、高度な技術と知識が必要であるにもかかわらず、関係者から何故か下に見られがちな職業です。

特に、この傾向は日本で強く見られます。

こんなに翻訳者の立場が低い国は、珍しいかもしれません。

Dr. 会社員は、自分の住んでいる国で翻訳者の立場が日本ほど低いと感じることはありません。

そのため、Dr. 会社員は、自分の取引先に日本人や日系組織(グローバル企業の日本支社など、常駐している日本人の担当者がいる所)をできるだけ入れないようにしています。

Continue reading “「クライアントは常に正しい」は誤謬”

高圧的なチェッカーが多い英日翻訳

高圧的なチェッカーが多い英日翻訳

基本的に、翻訳の工程にはチェック作業がもれなく付いてきます。

翻訳の品質を確保するための大切なステップであり、Dr. 会社員もその重要性はよく認識しています。

ただ、英語から日本語への翻訳では、品質管理という目的から逸脱した作業を行うチェッカーが多い気がします。

しかも、この言語方向のチェッカーには何故か、翻訳者の意見に一切耳を貸さない高圧的な人が多い。

何というか、チェッカー個人の自尊心を満たすことがチェック作業の究極の目的となっている、と感じる場面が多いのです。


Continue reading “高圧的なチェッカーが多い英日翻訳”

翻訳で本性をむき出す日本人

翻訳で本性をむき出す日本人

翻訳業界では、出版物やエンターテインメント系の字幕の翻訳などごく一部の分野を除き、翻訳者の名前は公開されません。

納品後の翻訳を同業者やソースクライアントがチェックする際、翻訳者のアイデンティティは伏せられています。

そのため、納品後の翻訳に向けられたコメントや修正の仕方から、チェッカーやクライアント企業の担当者の人間性がかなり分かります

Continue reading “翻訳で本性をむき出す日本人”

腕の良い翻訳家を遠ざける悪癖

腕の良い翻訳家を遠ざける悪癖

翻訳業界には、大きく分けて4種類の翻訳者がいます。

  • 自信があり、腕も良い翻訳者
  • 自信はないが、実はそこそこ腕が良い翻訳者
  • 自信はあるが、実は腕が良くない翻訳者
  • 自信がなく、腕も良くない翻訳者

言うまでもなく、翻訳会社やソースクライアントが最も確保したいのは「自信があり、腕も良い翻訳者」でしょう。

多少譲歩して、「自信はないが、実はそこそこ腕が良い翻訳者」でも良いかもしれませんが、自信がない人と仕事をすると誤解や勘違いが生じ、面倒な展開になることがあります。

なお、日本人は「自信 (confidence)」と「傲慢 (arrogance)」をはき違えている人が多いのですが、この二つの言葉の意味は異なります。

Continue reading “腕の良い翻訳家を遠ざける悪癖”

かかわると面倒な展開になる翻訳案件

かかわると面倒な展開になる翻訳案件

翻訳の案件は千差万別です。

業界や文章スタイルなど、非常に多岐にわたるので、翻訳の案件を打診された際は、引き受ける前に自分が得意な分野やスタイルであるかを慎重に吟味する必要があります。

Dr. 会社員は自分の得意な分野以外の案件はほとんど受注しません。

さらに、自分の得意な分野の中でも可能な限り避けているタイプがあります。

基本的に、以下の二種類はほとんど絶対に引き受けません

  • 著者の「思い」が込められた文章
  • 校正前、出版前の論文
Continue reading “かかわると面倒な展開になる翻訳案件”

翻訳者は「No」が言えて一人前

翻訳者は「No」が言えて一人前

翻訳の仕事を楽しく続けていくには、必要な時に「No」を言うことが非常に大切です。

フリーランス翻訳者の場合、自分の専門外の案件を依頼されることがよくあります。

また、受注産業なので、仕事が発生するタイミングも選べません。

上記の様な性質があるため、翻訳業を始めて最初の1~2年くらいは、仕事を選ぶ余裕がないかもしれません。

しかし、「何でも屋」の翻訳者を何年も続けていると、どの分野も中途半端な訳しかできず、クライアントとの信頼関係も構築できなくなります。

Continue reading “翻訳者は「No」が言えて一人前”

出版翻訳家になりたいと思わない理由

出版翻訳家になりたいと思わない理由

翻訳には様々な分野があります。

成功している翻訳者のキャリアステップによく見られるのは、将来自分が専門とすることになる分野で学歴や職歴を積みつつ二言語の運用力を高めていくというパターンです。

語学の学習 → 専門知識の習得ではありません。

逆です。

この「上手くいってる翻訳者」のパターンだと、出版業界にかかわる可能性は非常に低くなります。

ただ実際は、翻訳のプロフェッショナルとして生計を立てている人で、出版翻訳をやりたいという人はほとんどいません。

Continue reading “出版翻訳家になりたいと思わない理由”

日本人の翻訳チェッカーに多い問題行動

日本人の翻訳チェッカーに多い問題行動

Dr. 会社員は英語–日本語の翻訳(両方向)を生業としています。

よって、英語ネイティブと日本語ネイティブの両方からフィードバックをもらっています。

Dr. 会社員は日本語から英語への翻訳が全体の80%位なので、自分の英訳に英語ネイティブからフィードバックをもらう機会が最も多くなります。

英語ネイティブからもらう英訳のフィードバックの次に多いのが、日本語ネイティブからもらう和訳のフィードバックです。

続いて、日本語ネイティブからもらう英訳のフィードバックです。

翻訳業に10年以上携わっていますが、英語ネイティブから和訳のフィードバックをもらったことはありません。

この3つの組み合わせで、最も意味不明なフィードバックが多いのが、日本語ネイティブからもらう和訳のフィードバックです。

Continue reading “日本人の翻訳チェッカーに多い問題行動”