Dr. 会社員は英語–日本語の翻訳(両方向)を生業としています。
よって、英語ネイティブと日本語ネイティブの両方からフィードバックをもらっています。
Dr. 会社員は日本語から英語への翻訳が全体の80%位なので、自分の英訳に英語ネイティブからフィードバックをもらう機会が最も多くなります。
英語ネイティブからもらう英訳のフィードバックの次に多いのが、日本語ネイティブからもらう和訳のフィードバックです。
続いて、日本語ネイティブからもらう英訳のフィードバックです。
翻訳業に10年以上携わっていますが、英語ネイティブから和訳のフィードバックをもらったことはありません。
この3つの組み合わせで、最も意味不明なフィードバックが多いのが、日本語ネイティブからもらう和訳のフィードバックです。
次に意味不明なフィードバックが多いのが、日本語ネイティブからもらう英訳のフィードバックです。
ただし、これはサンプルの絶対数が少なく、割合にすると、今日に至るまでに受け取った日本語ネイティブからの英訳のフィードバックは、100%に不可解な内容が書かれていました。
英語ネイティブから意味不明なフィードバックをもらったことは、数えるほどしかありません。
ひょっとしたら、英訳で意味不明なフィードバックをくれた人は日本語ネイティブでなかったというだけで、英語ネイティブではなかったのかもしれません。
フィードバックの内容が冠詞(a, the)の指摘ばかりで、ほとんど間違っていたからです。
様々な人からフィードバックをもらった中で気づいたのは
日本人の翻訳チェッカーには
問題行動を取る人が多い
ということです。
特に目につくのが、他の翻訳者への攻撃です。
目次
翻訳チェックの意味を理解していない
そもそも、日本人の翻訳チェッカーには、チェック作業の意味を理解していない人が多い様です。
納品された翻訳の品質管理ではなく、粗探しや言い換え作業をはじめ、他の翻訳者への攻撃に使命感を持って励んでいる人が非常に多い。
既に十分に意味を伝えている文章を自分の好みでこねくり回して、
エラーです!
と喚いている人が多いのです。
余計な手を加えるから、チェック後の訳文に誤字脱字が入ってしまっていることすらあります。
Dr. 会社員は、英語ネイティブのチェッカーからもらったフィードバックで、自分の訳文が個人的な好みで無残に書き換えられているのを見たことがありません。
ですので、上述の問題は日本人に特有な傾向だと思います。
英訳の場合でも、日本人のチェッカーからのフィードバックは本人の好みによる書き換えで、誤字脱字や勘違いが入っていることがよくあります。
しかも、せっかく英語らしく書いた文章が「和文英訳」化され、日本語ネイティブにしか分からない英語になっています。
上記はあくまでも、Dr. 会社員が見てきた日本語と英語の翻訳に限った話です。
日本語と英語以外も調べたら、日本人チェッカーによくある問題行動が同様に見られる言語が見つかるかもしれません。
他の翻訳者を蹴落とす好機と勘違い
問題行動を取っているチェッカーは、翻訳チェックを「他の翻訳者を蹴落とすチャンス」と勘違いしているのでは、とDr. 会社員は感じています。
他の翻訳者を蹴落とすのは構いませんが、蹴落とした後に自分がその翻訳者を超える訳文をかけるかどうかが問題です。
多分、無理でしょう。
翻訳者を攻撃する性質を備えているチェッカーを野放しにしていると、その問題チェッカーが自分の承認欲求を満たせば満たすほど、関係者全員が不利益を被ることになります。
他の翻訳者に対して攻撃的な態度をとるチェッカーからのフィードバックには、かなりの確率で「改悪」が盛り込まれています。
こういったチェッカーは、利己的な欲求を満たすことに夢中になり、他者の訳文を読んで自分のスキルアップの参考にできる機会を台無しにしています。
まとめ
今回の投稿では、Dr. 会社員が考えている「日本人の翻訳チェッカーに多い問題行動」を説明しました。
上述の様な行動を取っているチェッカーは、プロジェクトの成功や自分の成長には関心がなく、承認欲求を満たすことしか考えていません。
問題行動を繰り返しているうちに勝手に干されていくとは思っていますが、ちゃんと仕事をしている翻訳者にとっては正直、非常に迷惑な存在ではあります。
Dr. 会社員はこの問題に気付いてはいるものの改善方法が分からないので、英語から日本語への翻訳(特に、文系の内容)はできるだけ避けることで被害を最小限に留めています。