翻訳家への道は、本当に複雑なのか

翻訳家への道は、本当に複雑なのか

世の中では、翻訳家を目指すなら何らかのテクニックを身に付けなければならないようなメッセージが飛び交っています。

翻訳家になるためのハウツーが次々と商品化されているためでしょうか。

確かに翻訳家という職業は謎に包まれています。

とはいえ、どんな職業もそんなものかと思います。

実際になってみなければ、分かりません。

翻訳家は営業職やアナウンサーのように人目に付く機会がないので、「肉眼で見えない」ということがこの職業をミステリアスにしているのでしょう。


ミステリアスだが、複雑ではない

ミステリアスだが、複雑ではない

翻訳業はミステリアスですが、翻訳家のなり方はさほど複雑ではありません。

複雑ではないのですが、相当な根気が必要であることは間違いありません。

また、何事も「大体でOK」という人よりは「言葉遣いや表現は徹底的にこだわる」という人の方が向いている気がします。

とはいえ、翻訳の案件は納期が非常に厳しいので、細かい点にこだわりすぎると締め切りに間に合わなくなります

ですので、普段は文章に完璧を求める人が、時間との戦いの中で最優先事項以外を切り捨てる、くらいがベストな力加減なのでしょう。


複雑化の原因は多分、営利事業

複雑化の原因は多分、営利事業

翻訳家のなり方が何だかものすごく複雑に見える理由は恐らく、そうしておくことで利益が得られる事業があるからでしょう。

資本主義社会では、何事もこんな感じです。

営利を追求する事業があってこそ経済が成長します。

また、資本主義は経済が成長しないと存続できない構造になっています。

ですので、営利を追求する事業は、資本主義という枠組みにおいて、悪とはみなされません。

消費者はよく考えて財布のひもを緩める必要がある、というだけのことです。

よく考えないと、高校や大学に入学するのも、健康を維持するのも、ダイエットするのも、運動するのも、お金を払って商材を購入しなければならないように見えます。

が、実際はそんなことはありません。

翻訳家になることも、同じです。

翻訳家になる上で
専用のテクニックに
大金をつぎ込む必要は
ありません

ただし、日頃から大量に文章を読み書きすることを習慣にする必要があります

とは言ったものの、ひょっとしたら、文章を読む習慣が元々身に付いていない人には翻訳家になることは難しいのかもしれません。

言葉の運用能力は音楽やスポーツとちょっと似ている気がします。

子供の頃から積極的に鍛えていないと、早い段階で上達が頭打ちとなるのが一般的なので。

読み書き以外では、独学を生涯続けられる好奇心も必要でしょうか。

他者から何らかの教材を指定されないと学習できない、というのは翻訳家を目指す上では大きな障壁です。


まとめ

まとめ

今回の投稿では、翻訳家のなり方は、実際よりも複雑に見えるようプレゼンテーションされている気がする、というDr. 会社員の印象を説明しました。

別の投稿でも書きましたが、フリーランスの翻訳家になる方法はシンプルです

シンプルですが
楽ではありません

翻訳家は一生勉強し続ける必要があります。

勉強と言っても、受験勉強の様に、外部から指示された情報を頭に詰め込む勉強ではありません。

日常生活や仕事を通して疑問に感じたことをすぐに調べたり、時間があれば図書館で本を借りたり、といった自分の内側から湧く好奇心に応える形の勉強です。