翻訳者・通訳者泣かせの大統領

翻訳者・通訳者泣かせの大統領

政治家をはじめメディア露出が高い人の多くは、政治家同士や批評家同士の討論は別として、通常はきれいで平易な言葉を使って、誹謗中傷を避けた表現を用います。

よって、政治家の発言の翻訳や通訳は一般的にさほど難易度は高くないのですが、現職のドナルド・トランプ米国大統領に限っては当てはまらないようです。

同氏のネット上での発言は従来の大統領とは比べ物にならないほど誤字脱字や誤表記が多く、他者の感情を逆なでするような内容も含まれるため、世界中の翻訳者や通訳者が頭を悩ませています。

例を挙げると、大統領就任前のものですが、このような発言です。

Sorry losers and haters, but my I.Q. is one of the highest -and you all know it! Please don’t feel so stupid or insecure,it’s not your fault

Source: Twitter

句読点をどうする?

句読点をどうする?

翻訳スクールに通ったことがある人や大学で翻訳の学位を取った人は講師から教わったと思いますが、翻訳や通訳の原則には以下のようなものがあります。

原文に忠実な訳

トランプ大統領の上述の発言を原文に忠実に翻訳するのであれば、句読点やダッシュの誤用を訳文で再現することが求められます。

翻訳の案件でこういう例に遭遇したときは、事前に指示がないのであればプロジェクトマネージャーに質問するのが得策でしょう。


失礼な発言はどうする?

失礼な発言はどうする?

失礼な発言は、翻訳者より通訳者が頭を悩ませていることと思います。

Dr. 会社員も昔通訳をしていた頃、クライアントが口論になるという事態に巻き込まれたことがあります。

上記の例の様な失礼な発言も、翻訳や通訳の原則に従うと原文に忠実に訳す、ということになりますね。

口論を他人事として聞くだけであればよいのですが、実際に翻訳者や通訳者として現場に携わっていると、こういう内容を訳すのはストレスの原因になります。特に通訳者は、実際に発言を口にするため、ストレスレベルはかなり高くなります