本ブログはどこかの翻訳会社にスポンサーになってもらっているわけではないので、Dr. 会社員個人の率直な感想を書きます。
ポストエディットの仕事を実際にやってみた正直な感想は以下の通りです。
つまらない。
Dr. 会社員は基本的に、翻訳の仕事しか受注しません。
チェックやその他の品質管理系ジョブは、基本的に受注しません。
翻訳以外の仕事は、たまたま「暇だ」と思ったときにタイミングよく依頼が来た場合に、極小であれば受注するくらいです。
こういったタイミングで過去3~4回、ポストエディットの仕事を受けました。
実際やってみて、どうも作業が進めにくいと感じました。
慣れの問題なのかもしれませんが。
しかも、何もない状態から訳す場合と比較して翻訳料が低めになるので、今後もできれば避けたいタイプの案件です。
目次
ポストエディットは料金が低すぎる
ポストエディットの案件を受けたくない理由の第一は、料金が低すぎることです。
モチベーションも生活も、維持できる水準ではありません。
本ブログでは常に、翻訳で稼ぎたいならお金に執着してはいけない、と説明しています。
しかしこれは、搾取されてまで奉仕しろ、という意味ではありません。
商品になる訳文を書く技術を身に着ける前に、語学検定の点数と翻訳力を同一視して手っ取り早く稼ごうとすると、ワーキングプアに陥る可能性がある、ということです。
商品になる訳文を書ける人が、わざわざ激安の案件を受注する必要はありません。
働けど働けど生活が苦しいままでは、仕事は続けられません。
翻訳に限らず、スキルのあるフリーランスは仕事を選んでおり、何でもかんでも受注しません。
ポストエディット案件は、ダイナミック・プライシングを採用している所に限定したいものです。
言葉の運用力に悪影響?
ポストエディットでは、機械による翻訳をひたすらチェックしていきます。
そのため、仕事中ずっと機械がアウトプットした文章を読むことになります。
多額を投資して高度な機械を開発している会社から受注するのであれば、そこそこまともな文章を読めます。
しかし、へんてこな訳文しか作成できない機械しか備えていない会社もあります。
へんてこな訳文をずっと読んでいると、自分の言葉遣いもおかしくなりそうです。
また、奇妙な訳文をアウトプットする機械でポストエディットに取り組む場合、以下のようなステップを踏むことになります。
奇妙な訳文を読む
↓
訳文の意味が分からない
↓
原文に戻る
↓
現状の奇妙な訳文を活かしつつ
どうエディットするか考える
↓
良い案が浮かばず
訳文をほぼ全て書き直す
結局、一から訳した方が早かったのでは、という後味の悪い結末を迎える場合もあることでしょう。
まとめ
今回の投稿では、Dr. 会社員の体験を振り返り、ポストエディットはつまらないと感じた理由を説明しました。
あくまでも個人の翻訳者としての感想です。
全く逆の意見や別の見方がネット上でたくさん見つかると思いますので、ポストエディットを中心に仕事を受けるべきかどうか迷っている人は、異なる視点での意見を読んでみるのも一案です。
いちいち周囲の意見を聞かずとも、一度やってみれば、どんなものかすぐわかると思いますが。
ただ、ポストエディットは翻訳会社の人件費を抑える上ではかなり有用な形式なので、ポストエディットに苦言を呈する翻訳会社は少数派だと思います。