翻訳者の収入アップに最も有効な方法

翻訳者の収入アップに最も有効な方法

翻訳者が収入アップを図る上で最も有効な手段は、これです。

低いレートの案件を断る

翻訳会社のほとんどは営利事業であるため、その性質上コストパフォーマンスを上げることを重要視しています。

翻訳会社と翻訳者はビジネスパートナーである一方、レートを巡る対戦相手でもあるのです。


翻訳者への報酬額を下げたい翻訳会社

翻訳者への報酬額を下げたい翻訳会社

翻訳会社が利益を上げるための基本モデルを説明します。

収入増対策は、単純に考えると以下のどちらかとなります。

  • 一次発注者にチャージする翻訳料を引き上げる(質重視
  • 一次発注者への翻訳料を引き下げ、顧客を増やす(量重視

一方、コスト対策で翻訳者に直接関係するものは以下の通りです。

  • 翻訳者に支払う報酬のレートを下げる

本ブログのテーマは企業戦略コンサルティングではないので、上記はあくまでも、翻訳者と翻訳会社の関係だけに焦点を当てた、ごく単純な図式です。

ただ、この図式だけでも、翻訳業界では基本的に、翻訳者が受け身でいるとレートはどんどん下がるのが自然なメカニズムであることが分かります。


報酬額を下げて欲しくない翻訳者

報酬額を下げて欲しくない翻訳者

単価を下げられて困らない翻訳者はいません。

ただ、翻訳者の性格的傾向が、激安翻訳市場の拡大を助長していることは間違いないでしょう。

良い翻訳ができる人は基本的に、物書きとしても成功できる資質を備えています。

そして、物書きは全体的に内向的です

政治家やビジネスパーソンの様に、存在感を全面的に押し出して、相手を説得しにかかるような行為には、まず及びません。

よって、ビジネスの主体である翻訳会社の言いなりになってしまう翻訳者が後を絶たないわけです。


翻訳業界で稼いでいる翻訳者

翻訳業界で稼いでいる翻訳者

仕事のできる翻訳者は内向的な人が多いことから、運よく優良な翻訳会社に巡り合えた人以外は、利益追従型の翻訳会社に搾取されることになります。

そのため翻訳業界では、稼いでいる(自称)翻訳者の多くは、純粋に翻訳のスキルが高いわけではない翻訳者、という不思議な構造が出来上がっています。

どういうことか?

つまり、翻訳そのものによる収入ではなく、翻訳に関連するビジネス(コーチングや教材の販売、零細翻訳会社の運営)を展開している(自称)翻訳者が、以下の様に自己アピールすることで自分のビジネスからの売上を上げている、ということです。

年収XXXを稼ぐプロ翻訳家

この自己アピールは、営利目的のキャッチコピーです。

このようにアピールすることで、翻訳家として得られるメリットは皆無です。

そもそも、このようなフレーズを掲げる翻訳者は、「翻訳だけで年収XXX円」とは言っていません。

何とかして翻訳からの収入を上げたいと考える、迷える子羊状態の翻訳者(翻訳家志望者)が、このようなマーケティングの顧客となっているのが現状です。

翻訳家が収入を上げるために、何らかの商材を購入する必要は全くありません。


まとめ

まとめ

今回の投稿では、以下の点に焦点を当てつつ、翻訳者の収入アップに最も有効な方法は、低レートの案件を断ることだということを説明しました。

  • 翻訳者への報酬額を下げたい翻訳会社
  • 報酬額を下げて欲しくない翻訳者
  • 翻訳業界で稼いでいる翻訳者

翻訳者がキャリアを積むに従い、収入アップを目指したいと考えるのは自然な展開です。

実力のある翻訳者には、実力に応じた報酬が支払われるのが理想です。

そうであることで、業界の健全性も保たれます

翻訳者が収入を上げるために重要なのは、自分のスキルを磨き正当な自信を持ち、不当な内容の打診を断る勇気を持つことです。