世界中で講演会を主宰している非営利団体TEDは、ボランティアの字幕翻訳者を広く募っていることもあり、翻訳業界では割とよく知られています。
このTEDがこのほど、機械翻訳の老舗&最大手でフランスのパリを拠点とするSYSTRANと機械翻訳の開発で提携することになったそうです。
余り知られていませんが、SYSTRANはGoogle翻訳にも技術を提供したことのある、機械翻訳のパイオニアです。
一方で、SYSTRANも「Deep L」に似たような独自の翻訳プラットフォームをオンラインで一部無料公開しており、日⇔英の翻訳もかなり正確です。このプラットフォームにTEDのデータが利用されるようです。
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TEDがついに営利団体と提携
TEDは非営利団体ということもあり、これまで営利団体と技術提携する話はあまり聞かなかったので、今回のニュースは業界の一部で注目を集めているようです。
TEDのスピーチは今まで相当な量が日本語に翻訳されているので、今回の提携は日⇔英の機会翻訳の精度向上に大きく貢献することになるのではないでしょうか。
今後TEDでボランティア翻訳に手を挙げる人は、自分の翻訳がTEDとSYSTRANによる機械翻訳の開発に使用される可能性がある、ということは知っておいて損はないでしょう。
翻訳に取り組む前に、TEDから同意を求める情報が提供されるとは思います。
専門性の高い機械翻訳へ
今回のTEDとSYSTRANの提携が今までの機械翻訳プロジェクトと大きく異なるのは、同提携が専門性の高い分野の翻訳に注力している、という点です。
TEDのスピーチは、ビジネス、医療、社会、人権、サイエンスなど、専門性の高い内容が多いため、TEDから集めるデータは、従来の一般的な翻訳データとは一線を画しているとのことです。
SYSTRAN社のサイトから詳細な情報が得られます。興味のある方はどうぞ。