Tradosは必要でないが、あれば便利

Tradosは必要ではないものの、あったら便利

翻訳家を目指している人や、翻訳業を始めて日が浅い人の多くが、SDL社のTrados Studioが必要なのかどうかで悩んでいる様です。

Dr. 会社員はTradosをはじめ翻訳ツールをいくつか使っています。

自分は使っていますが、翻訳者に必須のツールだとは思っていません。

ただ、あれば便利です。

そして、Tradosでも何でも良いので、翻訳メモリの操作方法の基本を理解しておくと、仕事の幅が広がります

取引先の中には独自のテキストエディタ―や翻訳プラットフォームを指定してくるところがあり、このようなツールのほとんどは操作方法が似ているからです。


Tradosを使うと訳抜けが減る

Tradosを使うと訳抜けが減る

Dr. 会社員の場合は、Tradosを使うことで訳抜けのリスクを抑えられます。

万人に有効なのかどうかは分かりませんが。

Tradosを使うと、どのファイルでも同じレイアウトのTradosの操作画面上で作業できるので、毎回異なるフォントやレイアウトの文書を目にするよりは、情報を見落とすリスクが抑えられるとDr. 会社員は感じています。

ただ、TradosのOCR機能では日本語を正確に変換できないようなので、このソフトで対応できる文書の種類は限られます。

また、Tradosを使うことで訳抜けが完全に予防できるわけではないので、ツールを使っていようがいまいが、翻訳では常に様々な面に細心の注意を払わねばならないことに変わりはありません。


単語帳が便利

単語帳が便利

Tradosをはじめ、翻訳ツールには「Termbase」という単語帳機能が付いてきます。

専門的な文書を訳す際にTrados等の翻訳ツールを使用していると、現在訳しているセグメント内にある用語の訳が画面に表示されるので便利です。

日常生活で使用しない言葉はなかなか記憶できないので、ツールの単語帳のおかげで時間を節約できます。

便利ではあるものの、Termbaseでは、記録されている単語に反応しないバグが頻繁に発生します。

何世代も前から認識されているバグの様ですが、一向に改善されません。

この点を除けば、Termbaseは非常に役立つツールです。

ただ、Evernote等の無料アプリを駆使すれば、それなりに素早く単語を検索できるので、翻訳ツールやその単語帳機能がないことで深刻な事態に陥るようなことはありません。

https://youtu.be/jhWRyMqGX0o
Getting started with a termbase in SDL Trados Studio

Concordance検索が便利

Concordance検索が便利

セグメントが丸ごと同じでなくても、セグメント内のあるフレーズが文書内で繰り返されている場合には、concordance検索が便利です。

Concordanceとは、一般的な文脈では「全体を通して一貫した」といったような意味です。

ある表現が繰り返し登場する際に、先ほど同じ表現をどう訳したかが思い出せない場合に役立つ機能です。

ただ、Concordance検索でなくても、一般的な文書作成ソフトの検索機能で十分対応できるので、なければないで何とかなるとも言えます。

How to use Concordance Search in SDL Trados Studio 2019

まとめ

まとめ

今回の投稿では、Tradosは必要ではないものの、あったら便利とDr. 会社員が考えている理由を説明しました。

このツールを使えば作業時間を30%位は短縮できるかな、とDr. 会社員は感じています。

つまり、Tradosなしで10日かけて稼げる金額を、Tradosを使えば7日で稼げる、ということになります。

ただし、常に仕事がある翻訳者でない限り、この効率化の意義はほとんどないでしょう。

月当たりの稼働日数が10日の翻訳者が作業時間を7日に抑えても、効率化とは言い難い、ということです。

とはいえ、翻訳以外の時間に他の生産活動を積極的に行っている人の場合は、話が違ってきます。