稼いでいる翻訳者は、かなり高学歴

稼いでいる翻訳者は、かなり高学歴

翻訳だけで生計を立てているフリーランスの多くはかなり高学歴です。

ただ、この様な人達に遭遇する機会は稀だと思います。

以前から知っている人が本業フリーランスの翻訳者、という場合はあると思いますが、皆さんが新しく出会う翻訳者はほぼ全員、兼業翻訳者かと思います。

よくあるパターンとして考えられるのは、以下の二通りです。

  • 通訳・翻訳スクールの講師
  • 主婦・主夫

なぜなら、フリーランスの翻訳だけで生計を立てている人はかなりの高確率で以下の要素を備えているからです。

  • 一人でいることが好き
  • 多忙

人が集まる場所にはあまり出てきません。

因みに、通訳がメインの人はそこまで一人が好きではない気がします。一人が好きだったら、通訳に向いていないとも思います。

Dr. 会社員は今までに、フリーランスの翻訳からの収入だけで生計を立てている人に自分以外で二人会いました。二人(+自分)の共通項は、以下の通りです。

  • 大学院卒
  • 基本は単独行動

プロの翻訳者の学歴を聞き取り形式で調査するのは困難を極めそうです。


尋常でない努力が必要

尋常でない努力が必要

自分自身が翻訳で生計を立てていることと、今まで自分が翻訳してきた文書の内容を考えると、翻訳業界で十分に収入を得るには

自分の専門分野での学歴
(修士号以上が望ましい)

もしくは

専門分野に関連する
業界での職務経験

が基本的には必要かと思います。

専門分野の翻訳を教えている学校は日本各地にあるようなので、そういう所で学ぶという手もあるのかもしれません。ただ、専門性の高い翻訳に本気で携わっていると、人を教えている余裕などないはずなので、そういう学校ではどういう講師がどういう知識を伝授してくれるのか、という点は気になります。

とは言ったものの、Dr. 会社員の周りには翻訳スクールの卒業生はいないので実情はよく分かりません。海外の大学で通訳・翻訳の学位を取った後、日本に帰って社内通訳の仕事を見つけた人は 2 人ほど知っています。


ハイレベルな翻訳家は高学歴

ハイレベルな翻訳家は高学歴

冒頭で触れた二人の専業翻訳者の学歴をもう少し詳しく説明します。

一人は英語圏出身の人で、分野は聞いていませんが、日本の国立大学で修士号を取っていました。20 年近く金融関係の翻訳だけで生計を立てているそうです。ただこの方金融が専門なので、2007-2008 年の世界金融危機(リーマンショック)の時にはホームレスになるかと思った、と言っていました。

もう一人は、ヨーロッパの大学で生命工学だったか何だかの修士号を取っていました。この人は医療や企業経営の日英翻訳で生計を立てています。

翻訳のスキルと学歴は完全には相関しないと思いますが、専門分野の知識と学歴にはかなり相関があるのではないでしょうか。専門分野の学歴が高いと、翻訳業を始める前の職歴の専門性も高くなる確率も高くなりますし。

Dr. 会社員は自己紹介にも書いていますが、翻訳業に完全に徹する前は職を転々としていました。転々としてはいたものの、振り返ってみると今までの経験には全体的に以下の要素が絡んでいます。

  • 英語と日本語両言語での読み書き(ジャーナリスト、サイエンスライター、学術論文)
  • 異文化コミュニケーション
  • 語学とは別にサラリーマンと博士課程で学んだ専門知識

まとめ

まとめ

翻訳で生計を立てるには、専門知識と二か国語でのコミュニケーション能力(文法知識に限定せず)を本気で身に着ける必要があります。

大学院に行く時間もお金もなく、それでも翻訳で生計を立てたいなら、何とかして勉強する方法を見つけるしかありません。誰かに頼っていてもスキルや知識は身に尽きません。

過去の投稿でも書きましたが、生計を立てられるレベルの翻訳には、非常に高度な知識とスキルが必要です。

クラウドソーシング副業の翻訳で簡単に儲けられるようなメッセージがネットで出回っていますが、信じるか信じないかは自分次第。「儲ける」の概念も主観的ですので、自分が儲かっていると思えば、他人が何と言おうと儲かっているということになるのかもしれません。