本ブログで繰り返し述べていますが、TOEICなどの検定で測れる「英語力」と翻訳のスキルに相関は余りありません。
翻訳スキルの高い人の多くは、特に対策を講じずとも英語検定で高いスコアを取れると思いますが、逆はありません。
更に、どれだけ翻訳のスキルが高い人でも、集中力に欠けると生産性が下がります。
目次
自分にはどれだけ集中力があるのか
自分の集中力を調べる手っ取り早い方法があります。
耳から入る情報を使う方法で、集中力を高めるために通訳の訓練でよく使用されます。
使用する言語は、英語でなくても構いません。
むしろ、最初は母国語の日本語の方が良いと思います。
ただし、繰り返し再生できるものを使用します。
ニュースなど、できればゆっくりと流れる聞きやすい放送を10秒ほど聞き、記憶します。
10秒経って再生を止めたら、聞いた言葉を繰り返して口にします。
どれだけ正確に繰り返せましたか?
この方法を試してみると、情報を正確に収集するには、いかに高い集中力が必要であるかが分かります。
目から入る情報も同じです。
かなり集中して読まないと、日本語ですら思い込みで読み間違えます。
特に、英→日翻訳の場合は外国語を読むわけですから、集中していないと日本語以上に読み間違えます。
良質な翻訳には、集中できる環境が必要
良い翻訳を送り出すためには、翻訳のスキルを伸ばすことも大事ですが、集中できる環境を日ごろから確保しておくことも必要です。
翻訳の仕事が入るようになってから準備するのではありません。
翻訳の仕事が入ってくるようにするためにも、集中できる環境を整える必要があるのです。
オフィスを借り上げる様な大規模な投資は必要ありませんが、自宅で作業をするなら、ダイニングやリビングの片隅ではなく、一人で閉じこもれる空間を別室に確保するのが理想です。
ワンルームマンションであれば、余計な視覚・聴覚的な情報が入ってこない空間を部屋の隅に確保しましょう。ついたてを使うのもアリです。
騒音が気になるのであれば、耳栓も使えます。
血迷っても、気晴らしにカフェで翻訳、などと考えてはいけません。
まとめ
今回の投稿では、翻訳家になるには、英語力以上に集中力が大事、ということを以下の点に触れつつ説明しました。
- 自分にはどれだけ集中力があるのか
- 良質な翻訳には、集中できる環境が必要
翻訳にはマルチなスキルが必要です。
マルチなスキルとは、マルチタスクと同義ではありません。後者は気が散っている状態を指します。
翻訳の作業中にマルチタスクは禁忌です。