翻訳家になるには?英語力編

翻訳家になるには?英語力編

翻訳家を目指すなら、テストで測れる英語力にこだわるのは止めましょう

ネット中で見つかる翻訳関係のブログで指摘されている通り、TOEICTOEFL英検の点数は、一定水準を超えた段階で、翻訳のスキルと相関しなくなります

TOEIC満点で珍訳を生産する人はたくさんいます。

むしろ英語検定の点数にこだわる人ほど、過去の投稿で説明した様に、翻訳業界の使い捨て部隊に配属されるリスクを抱えています


言葉の運用能力

言葉の運用能力

言葉の運用能力は語学検定では測れません。

言葉の運用能力とは、書き手や話し手の意図を正確に理解し、伝えたい内容を正確に表現する能力です。

言葉の運用能力は、テクニックや暗記で身に付くものではありません。

過去の投稿で触れた通り、言葉の運用能力を高めるには読書が最も有効です。

読書を通して語彙を増やし、自然で的確な表現に親しむことができます。

翻訳の質を決める際の決定打となるのは、記述力です。

日本語の記述力を向上させる方法は、過去の投稿で説明しました。


教養を深める

教養の向上

読書によって教養を深めることもできます。

教養を深めると、変な訳語を書くリスクを抑えられます。

Dr. 会社員が最近目にした例では、高齢者の「home care」が「自宅ケア」になっていました。

これでは美容関係の広告です。

読書をすることで、このような珍訳を予防できます。

和書と洋書、両方を読むのが効果的です。


専門知識の習得

英語力ではなく、専門知識を身に付けることをお勧めします。

一流の翻訳者は、専門分野を持っています。

専門分野のない翻訳者には、過去の投稿で説明した様に、ギグワーカーとしての末路が待っています。

専門知識は、大学で身に付けるのが効率的ですが、強い意志があれば、大学に大金を投入せずとも、読書やネットを活用した学習で身に付けられます。

専門分野の知識を高めることで、言語ペアの両方向で翻訳できるようになります。


まとめ

まとめ

今回の投稿では、翻訳家を目指すにあたり、英語力にこだわるのを止めることが大事な理由を説明しました。

  • 言葉の運用能力
  • 教養の向上
  • 専門知識の習得

翻訳と英語のテストを同じ次元で考えてはいけません。

翻訳は言葉を使う仕事です。

一方、英語のテストはテクニックと記憶力、そして記憶した内容を一定のパターンで応用する能力を測る手段です。