【洋書多読の効果とコツ】和訳しない

【洋書多読の効果とコツ】和訳しながら読んではいけない

洋書の多読で英語力向上を目指す場合、絶対にやってはいけないことがあります。

それは、

日本語に訳しながら読む

という行為です。

英語と日本語は
非常に異なる言語です

どちらの言語を使うかによって、物事の見方、考え方が変わります。

例えば日本語の

申し訳ありませんが…

とか

突然のメールにて失礼いたしますが…

というフレーズを頭に浮かべながら英語のメールを書くと、

物凄く日本語っぽい
英語のメール

になります。

日本通のネイティブ英語スピーカーが英語の分かる日本人に向けてメールを書くときに

I am sorry, but…

Please allow me to send you this message out of the blue…

という表現をよく使います。


洋書を英語のまま理解する効果

洋書を日本語に置き換えず、英語のままで理解するよう意識することで、英語独特の表現に慣れることができます。

今回の投稿では特に量と数の概念について説明します。


チョコレートの量と数

チョコレートの量と数

以下の英文二つは似ていますが、ニュアンスが異なります。

1. Can I have some chocolate?

2. Can I have some chocolates?

上記を日本語に訳すと両方とも

チョコレートをちょっと食べてもいいですか?

となります。

日本語に訳すことで原文のニュアンスと、前後の文章との文脈上のつながりが途切れます。

1. は量や数、形状を問わず、とにかくチョコレートを食べてよいかどうかを尋ねている表現で、2. は個別包装されたチョコレートを複数食べてよいかを尋ねている表現です。

つまり、前後の文脈によってどちらを使うべきかが決まるのです。


「作業」は数えられるけれど「仕事」は数えられない

「作業」は数えられるけれど「仕事」は数えられない

日本語と英語では、数えられるものと数えられないものが異なります。

例えば日本語で、

今日の仕事では、顧客名簿の見直しと更新の作業を行います。

という場合、「仕事」も「作業」も数えなくてよい「概念」として捉えることになります。

一方、英語では「仕事」は数えられないもの(不可算名詞)で、「作業」は数えるもの(可算名詞)です。

つまり、英語ネイティブが上記の例を英語で表現する場合、

Today, I will be doing the following tasks at work: reviewing and updating the customer list.

となります。

英語で書かれている文章を日本語に置き換えて理解すると、ネイティブ英語スピーカーが世の中をどう見ているのかを捉えられません。


「the」と「a」の違い

「the」と「a」の違い

英語を正確に理解するには、冠詞に注意する必要があります。

In the UK, transport is the largest source of carbon dioxide (CO2) emissions, damaging both the environment and public health. When we imagine the city of the future, novelties like flying cars may come to mind – but a decarbonised future for transport might mean no cars at all.

BBC News, 23 September 2020

この例文で一度だけ出てくる「a」は、ロンドンに限定しない未来のことを指しているので「a」なのですが、日本語に置き換えると「the」と「a」のニュアンスの違いが失われます。英語で「the」と「a」がないと表現できない考えが、日本語では冠詞を使わずに表現できてしまうからです。

英語の表現を英語のまま理解することを意識しながら読むと、多読による英語力向上が期待できます。


まとめ

まとめ

上記でさらっと説明しましたが、英語を英語のまま読むということは、決して簡単なことではありません

Dr. 会社員が上記で説明した内容を、英語を読む際に無意識で適用できるようになるまでの過程は過去の投稿で説明しました。

本ブログでは、Dr. 会社員が今まで読んだ中で面白いと思った良書を順次紹介しています。

全て海外で見つけた本なので、日本では紹介されていないものが多いかもしれませんが、興味がある方は是非ご覧になってください。