先日、翻訳家は食えない仕事というよりも太る仕事だ、という考えを書きました。
では、翻訳業に従事して太った場合は、どうするのか?
この場合、選択肢は二つです。
- 太った自分を受け入れて、何もしない
- 元のスリムな姿に近付くべく、アクションを起こす
1. の場合、体がボリュームアップするだけなら良いのですが、見えない部分、つまり体の中に異常が起こりつつある場合は、疾患に発展する可能性があります。
そうなる前に何らかの対策を講じないと、数年後に医療費がかさむかもしれません。
2. の場合は様々なアプローチがありますが、手っ取り早いオプションは選ばない方が得策でしょう。
目次
断食ダイエットは、お勧めしない
効果的かつ手軽なダイエットとして近年世界中で注目を浴びているのが断食ダイエットです。
プチ断食、という言葉もありますが、要は「食欲」という人間の本能と徹底的に戦うスタイルのダイエット法です。
体を動かさない代わり、食べないという方法なので、鉄の意志が重要です。
Dr. 会社員は、断食ダイエットはお勧めしません。
断食すると筋肉や骨が激減するので、断食する場合は残りの人生を断食モードで過ごさなければならなくなります。
そうしないと、あっという間に生活習慣病を発症する可能性があるからです。
断食を支持する人の中には、断食によってサーチュイン遺伝子という遺伝子が活性化され、老化が抑えられるとする研究結果を引用する人が多くいます。
確かにそういう遺伝子は存在する様ですが、Google Scholar等で見る限りでは、サーチュイン遺伝子の研究はほとんどが人為的にコントロールされた環境(in vitro)で行われています。
つまり、実際にサーチュイン遺伝子を発動させている人間を、対照群を設けて長期的に観察したわけではない、ということです。
単純に考えれば、サーチュイン遺伝子がスイッチオンとなることで長生きできるなら、飢餓問題は地球上からなくなります。
まだまだ謎の多い新規の研究成果を拡大解釈するよりは、農林水産省が発表している食事バランスガイド等の情報を参考にした方が有効かと思います。
断食すると、活動量も減ります。
食べない、動かないという状態を続けると、寝たきりと同じ状態となり、モヤシの様な体になります。
もしくは、食べない状態に体が慣れ、食べていなくても体脂肪率が増加し続ける可能性もあります。
断食が体に合っている人は一定数いることと思いますが、多分かなりマイノリティーです。
また、草だけ食べる、というのもやめた方が良いと思います。
人間は基本的に雑食の生き物です。
何世代もベジタリアン、という家系でない限り、一世代で突然草食化するのは難しいと思います。
Dr. 会社員は大学で、ベジタリアンのインド人研究生と一緒に昼食を食べたことがあります。
この方は、「うちは何世代もベジタリアンだから野菜(と豆)だけ食べる食生活で大丈夫」と言っていました。
ヒトは動きたくない生き物
人間の多くは、動くことが好きではない様です。
そのため、動かない、食べない、という選択によって「動きたくない」という欲求は満たせそうです。
食べたいという本能に、動きたくないという本能が打ち勝つと、断食ダイエットという選択肢となるのでしょう。
人間の動きたくないという欲求は相当強い様で、イノベーションを通じて、人間が動かなくて済むテクノロジーが次々と生み出されています。
つまり市場では「動きたくない」というニーズが高い、ということです。
しかし、人間はイノベーションで生み出したテクノロジーを有益に使うことはあまり得意ではないようです。
最新のテクノロジーに囲まれ、動かない生活を送るとどうなるか、というのはPixarの映画『WALL-E』で描かれています。
ほんの数十年前までは、人間の活動量は今よりずっと多かったのです。
人間は数十年、数百年といった短いスパンで進化しません。
健康な体を維持するためには、バランスの取れた食事を摂り、筋トレを取り入れつつ体を動かすことが基本であり王道かと思います。
裏技を使えば使う程、迷子になる気がします。
まとめ
今回の投稿では、翻訳業に従事して太った場合に、やらない方が良いことを説明しました。
何事においても、手っ取り早い方法は、避けた方が良さそうです。
翻訳も健康も、じっくりと腰を据えて、長い目で取り組む必要があります。