日英翻訳の勉強、「ほぼネイティブ」が目標

日英翻訳の勉強、「ほぼネイティブ」が目標

日本語から英語への翻訳を勉強する際の目標は、「ほぼネイティブ」なレベルで英語を書けるようにすることです。

直訳は完全にアウトです。

英日翻訳での直訳より惨めな仕上がりになります。


日本語から英語への直訳は、ほぼ無理

日本語から英語への直訳は、ほぼ無理

日本語には、主語や目的語が省略されるという特徴があります。

そのため、一文ずつ個別に文法を解析しても、あまり役に立ちません。

よって、日本語から英語への翻訳ではかなり言葉を足す必要があります。

かなり言葉を足した上で、ネイティブが読んで分かる文章に仕上げます。

この理由から、英語から日本語に訳された文を英語へと機械で逆翻訳すると、とんでもないことになるのです。

以下の様な例が考えられます。

アンケートへの記入が終わりました。記入内容に問題がなければ、「次へ」をクリックしてください。

この日本語を文法に忠実に英語に訳すと、「アンケートへの記入が終わりました。」の部分には主語がないため英語の文として成立しません。

「You」等、何らかの主語を足す必要があります。

また、「記入内容に問題がなければ」を直訳すると、妙な英語になります。


日本語は一文が長い

日本語は一文が長い

日本語の文章は、一文が長くなりがちです。

一方、英語のネイティブスピーカーが書く文章の多くは、一文が短く収まっています。

英語圏の学校では、低学年のうちから作文の授業で「一文は短く」と徹底的に指導を行うことが、理由の一部でしょう。

もちろん例外はあり、英語でも一文が長めのジャンルはあります。

例を挙げると、新聞・ニュースの記事は一文が長めです。

何故かは分かりませんが。

そのため、Dr. 会社員は、英字新聞は英語学習の教材としてはお勧めしません。

英字新聞など英語で書かれたジャーナリズム系の文章は、ネイティブ並みに英語が読める人が、英語「を」勉強するのでなく、英語「で」知識を深めたい場合には最適だと思います。

日英翻訳では、延々と続く日本語の一文を、いくつかに分けて構成し直す必要があります。

この意味でも、直訳には無理があるのです。


言葉の置き換えではなく、意味を伝える

言葉の置き換えではなく、意味を伝える

日本語から英語への翻訳では、意味の伝達にフォーカスすることが非常に重要です。

日本語ネイティブであれば、日本語で書かれた文章は、文法解析しなくても著者のメッセージが理解できることでしょう。

英訳では、
日本語のメッセージを
自然な英語で
表現するのです

文法の置き換え作業ではありません。

文法の置き換え作業は、入試問題の和文英訳です。

Dr. 会社員は日本語を英訳する際、文法は多少考慮しますが、ほとんど無視しています。

英訳で大事なのは、日本語で書かれたメッセージを、英語ネイティブが読んで分かる文章で表現することなので。


例を挙げると、日本人が文章を書く際に多用する「が」や「も」を英語に直訳すると、おかしなことになります。

明日は日曜ですが、予定はどうなっていますか?

という文に「but」や「however」を使うと、意味が変わってしまいます。

また、

定年退職後は、世界一周旅行に出るのも一案だ。

この「も」は「also」ではありません。


まとめ

まとめ

今回の投稿では、日本語から英語への翻訳を勉強する際は、「ほぼネイティブ」なレベルで英語を書けるようにするのがポイントだ、ということを説明しました。

日本語ネイティブは英語の音を聞き分けるのに非常に苦労しますが、読み書きは努力次第でほぼネイティブレベルまで持っていくことが可能です。

英語ネイティブが手掛ける日英翻訳は、きれいな英語で書かれていても原文の解釈に問題が見つかることがあります。

一方、日本人が日本語の原文を読む場合は、英語ネイティブのような間違いはしません。

また、日本語のニュアンスを維持しつつ、完全にネイティブな英語に直すのはちょっと無理があるので、多少妙な英語でも正確な翻訳が好まれる場は、少なからずあります。

英語から日本語への翻訳はやりたい日本人が多すぎて、簡単に参入できるエリアは既に飽和状態です。

本物の実力を持った翻訳者でない限り、凄まじいレベルで値崩れした単価で仕事を引き受けることになります。

一方、英日翻訳に比べると、日本語から英語への翻訳は参入している日本人が比較的少ないため、日本人としての強みを生かす余地が残されている気がします。