フリーランスの翻訳者として翻訳会社に登録を申し込むと、トライアルを課されることがよくあります。
通常、まともな翻訳スキルを持つ人が応募先を見誤っていない場合、10社応募すればどこかには合格するはずです。
また、翻訳会社の中には、翻訳者を新規登録する気がなくても応募者にトライアルを課している所があるので注意が必要です。
つまり、表向きは「翻訳者募集」でも、実際は翻訳以外の雑用を無償に近い報酬で依頼できる人を集めている場合がある、ということです。
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訳出先の言語での記述力
英語から日本語への翻訳トライアルで不合格になる最も大きな理由は、これです。
本ブログで何度も説明していますが、翻訳では、翻訳者が原文を理解していることを示すだけでは不十分なのです。
読者が理解できる文章を書いて初めて、訳文に商品としての価値を与えることができます。
Dr. 会社員がよく目にする変な日本語のパターンを以下に挙げます。
日本人の読者が違和感を覚えない日本語を書くスキルが必要です。
その一方で、たとえ美しい日本語でも、原文から解離したフィクションを書いてはいけません。
専門分野がない
翻訳を生業にしたいと本気で考えているなら、専門分野を持つことを強くお勧めします。
それなりに稼いでいる翻訳者は大抵、専門分野を持っています。
教養程度に知っている分野や、気分で選んだ分野を選んでも、まともな会社のトライアルには恐らく合格しません。
また、仮に合格して翻訳者としてデビューを果たしても、あっという間に淘汰されます。
仕事を通して知識を増やすことはもちろん可能です。
しかし、スタート地点でかなりの知識がないと、翻訳を締め切りまでに仕上げられない可能性や、時間に追われて訳を間違える可能性が生じます。
仕事が多いフリーランス翻訳者は、理系か社会科学の専門を持つ人が多い現実とは対照的に、翻訳家希望者の多くは人文や語学を専門とする人が多いので、翻訳家を目指す人は、専門知識の習得に苦労するかもしれません。
そういう意味でも、翻訳家になるには長期的な視野で努力を続ける必要があるのです。
まとめ
今回の投稿では、翻訳トライアルに連続で不合格になる場合には、何らかの原因がある、ということを説明しました。
上述の通り、翻訳家になるには長期的なビジョンを持ち、あきらめずに努力を続ける必要があります。
駆け出しのうちは、理不尽な取引先と腑に落ちない条件で契約することがあるかもしれません。
しかし、正しい方向で努力を続けていれば、スキルは必ず伸びますし、それに伴って良い取引先も徐々に見つかります。