翻訳は儲かるのか?
という質問をあちこちで見かけます。
Dr. 会社員自身の経験に基づくと、翻訳からの収入でそれなりにゆとりのある生活を送ることは十分に可能です。
フリーランス翻訳者は、交通費や被服費、交際費がかからず支出が少ない分、他の職業と比較して収入が低めでも(お金のかかる扶養家族がいなければ)十分に生活できます。
ただ、翻訳業を始めてすぐに十分な収入が得られる人はごく少数だと思います。
基本的にそういう人は、翻訳業を始める前に、関連する業界で文章を書くスキルと専門知識を身に着けています。
「翻訳業を始めたいが儲かるか心配」という人は、自分が「翻訳をしたいのか」、それとも「お金を稼ぎたいのか」を明確にすべきだとDr. 会社員は思います。
目次
翻訳がしたいなら
翻訳が好きなので翻訳を生業にしたいという人は、「好きなことを仕事にする」という選択をするわけです。
好きなことを仕事にする場合、収入にすぐ繋がる場合もありますが、大抵は長い下積み時代を経験することになります。
作家やアーティストと同様に、翻訳家も、長い下積みを経験したからと言ってブレイクするとは限りません。
好きなことを仕事にできる、ということに幸せを感じられる状態でないと、翻訳業は続けられません。
「好きなことを仕事にするだけでなくお金もガッツリ稼ぎたい」では、「二兎を追う者は一兎をも得ず」となります。
楽しみながら翻訳のスキルを徹底的に磨いたり、専門知識を身に付けたりして、売れる翻訳者になりましょう。
時間はかかる上、一生勉強し続けなければなりませんが、好きなことを仕事にする代償です。
お金を稼ぎたいなら
翻訳が好き、もしくは得意なので翻訳を生業にしたいのではなく、得意な語学(大抵の場合は英語)を活かして手っ取り早くお金を稼ぎたいという人は、翻訳以外の仕事を探した方が儲かると思います。
翻訳の世界は
語学が得意というだけで
ガッツリ稼げるほど
甘くありません
Dr. 会社員は今までに、手掛けた翻訳者は語学が得意、ということがよく分かる変な訳文を大量に目にしています。
本ブログで何度も説明している様に、語学が得意であることと、読者が読んで理解できる訳文を書くことは別次元の話です。
まとめ
今回の投稿では、翻訳業を始めたいと考えている人は、始める前に、自分は「翻訳がしたい」のか、それとも「お金を稼ぎたい」のかを自問自答した方が良い、とDr. 会社員が考えている理由を説明しました。
「翻訳が好き」だから翻訳を生業にしたい場合は、始めてからの数年間、儲からない時期を経験することを覚悟した方が良いでしょう。
ただし、翻訳業に参入する前に、別の業界で関連するスキルや知識を身に着けている場合は別です。
文芸系を除き、翻訳は完全に実力主義の世界です。
実力のある翻訳者が正しい取引先を選べば、人並みの生活を送れるだけの収入は必ず得られます。
一方、「得意な語学でお金を稼ぎたい」が翻訳の仕事をする動機なら、翻訳以外の仕事を選んだ方が、きっと儲かります。