翻訳者として仕事を続けていくには、向き不向きがあります。
翻訳者といっても、フリーランスと雇われ翻訳者では、求められる資質が異なります。
雇われ翻訳者の場合は、サラリーマンに必要な資質を備えていることが最低条件でしょう。
むしろ、フリーランスに必要な資質が備わり過ぎていると、サラリーマンとしては生きにくいかもしれません。
今回の投稿では、主にフリーランス翻訳者に必要な資質を考察します。
目次
徹底した時間管理
フリーランスとして仕事を続けていくには、時間の管理を徹底する必要があります。
他者が設定した就業時間で働くわけではないので、自分で始業と終業を決めます。
自分が最も能力を発揮できるサイクルで、稼働時間を決めます。
その一方で、始業時間と終業時間を状況に応じてフレキシブルに変化させなくてはなりません。
残業手当は一切出ませんが、サービス残業もありません。
成果がダイレクトに自分の収入に繋がるのが、フリーランスです。
サラリーマンの様に、事前に決められた金額の給与が支払われることはありません。
そのため、自分の翻訳ビジネスにおける収益率を上げるために、自分で働き方や時間を工夫する必要があります。
サラリーマンの様に、疲労困憊でもとりあえず出勤しておけば何とかなる、という考えはフリーランスに当てはまりません。
満足のいく収入を確保するためには、自分の時間を徹底して管理する必要があります。
世間がゴールデンウイークやら年末年始でお休みモード全開でも、フリーランス翻訳者には関係ありません。
徹底した健康管理
フリーランスで翻訳業に従事すると、引きこもって孤独に作業を続ける日々が続きます。
自分を監視する目が全くない環境なので、休憩はいつでも取れます。
そのため、人によっては間食や飲酒が増える様です。
Dr. 会社員は間食する食品は気を付けて選んでおり、飲酒も仕事の効率を維持するためにかなり控えています。
間食や飲酒が増えると栄養バランスが乱れて生活習慣病を発症しやすくなります。
生活習慣病を発症しても、自覚症状はすぐに表れません。
かなり進行してから医者にかかることになる人が多い病気です。
しかも、慢性の病気なので、医者にかかり始めると継続的に通院して治療や投薬を受けることになります。
こうなると仕事に支障が出ますし、支出も増えます。
生活習慣病を予防することは、何もフリーランスに限らず万人にとって重要なことではありますが、フリーランス翻訳者は、「座りっぱなし」である上に「監視の目がなく」「誘惑も多い」ため、生活習慣病を発症しやすい環境に置かれていると言えます。
そのため、フリーランス翻訳者には、徹底した健康管理が必要になります。
ただ、サラリーマンと異なり、付き合いで飲み食いする機会がほぼ皆無であることは、大きなメリットです。
取引先を選ぶ判断力
上から言われた通りに取引先に対応するサラリーマンと異なり、フリーランス翻訳者は自分の目で取引先を吟味しなくてはなりません。
広告などのマーケティングの甘言を過信して取引先を選ぶと、搾取されたり大損したりします。
取引先候補は自分で徹底的にリサーチして、自分の判断で決める必要があります。
他者の意見を参考にしつつも、決して流されることのない判断力が、フリーランス翻訳者には必要です。
自分はサービスを販売する立場であって、他人のサービスを消費する立場ではない、という自覚が大切です。
Dr. 会社員は、自分が搾取されそうな案件は躊躇せず断っています。
自分で考えることが好きか
雇われ翻訳者よりフリーランス翻訳者の方が向いているかどうかの決め手となるのは、「自分で考えることが好きかどうか」かもしれません。
サラリーマンと異なり、「上司の指示をしっかり守れる」というのはフリーランスにとって強みではありません。
もちろん、翻訳の案件についてクライアントから出された作業上の指示には従う必要があります。
しかし、「行動や考え方を他者に合わせる方が、自分独自の道を進むより心地良い」という人には、フリーランスは厳しいでしょう。
翻訳作業で誰かに教えてもらった訳し方のパターンばかりを使っていては、売れる翻訳者になれません。
雇われ翻訳者の場合は、組織内の上司にあたる人が「こう訳すべき」という指示をくれるでしょう。
しかし、フリーランスの場合は自分の頭で、クライアントのニーズに応える訳を考える必要があります。
まとめ
今回の投稿では、フリーランス翻訳者には間違いなく向き不向きがある、とDr. 会社員が考えている根拠を一部説明しました。
自分にはフリーランスの素養がないが翻訳の仕事がしたい、という場合は、雇われ翻訳者を目指すのも一案かもしれません。
ただ、Dr. 会社員の経験に基づくと、雇われ翻訳者はフリーランスより収入が低めで、翻訳以外の仕事を大量に任される傾向があります。